ケーススタディ

Breton

Stratus ztC™ Edge搭載、次世代の石材加工機

Breton社の次世代石材加工機、Stratus ztC™ Edgeを搭載。製造装置を想定外のダウンタイムから保護します。

目的

  • ミッションクリティカルな業務に必要な冗長化機能を追加
  • 計画外のダウンタイムをなくし、収益性と事業継続性を高める
  • ソフトウェアの仮想化と相互運用性により、機械装置をインダストリー4.0の製造環境に適応させる

課題

  • ダウンタイムをなくし、ユーザーの事業継続を可能にするための冗長性をマシンに追加すること
  • エンジニアリングとセットアップ時間の短縮を可能にするエッジ コンピューティング アプローチの開発
  • ITスタッフがいない生産現場環境でも、運用チームがエッジコンピューティング ソリューションを導入や管理可能な、OTに適した新しい産業用エッジアーキテクチャの選定

結果

  • 4つのAVEVAソフトウェアアプリケーションを仮想化により単一のコンピュートプラットフォームに統合
  • 設置・準備にかかる時間を8時間短縮し、お客様への迅速な納品を実現
  • 仮想マシンイメージの追加とシステムアップグレードを20分で完了

ルネッサンス発祥の地に近い北イタリアの機械装置メーカー は、現代の産業ルネッサンスの時代に、顧客のためにイノベーションを起こしています。

先端技術と素材の開発のパイオニアであるBreton社は、1963年創業の、人工石材、天然石材(大理石、御影石、装飾用石材)、金属を製造・加工する装置、機械、プラントの世界的なトップメーカーです。Breton社の使命は、お客様の生産プロセスを革新し、お客様のビジネスパフォーマンスを向上させるために、お客様とパートナーシップを組んで支援することです。同社は、Bretonstone®、Bretonterastone®、 Bretonstone Cement®のブランドを製造・所有しています。

"冗長化オプションを追加することで、Breton社は顧客に対してより革新的でより効果的な対応ができるようになりました。"
ミケーレ・ヴァリオ、 OEMおよびビジネス、 開発ディレクター、 ワンダーウェア・イタリア

事業継続を支えるミッションクリティカルな機器に求められる冗長性

Breton社は、計画外のダウンタイムが許されないミッションクリティカルなアプリケーションの石材加工機に冗長機能を追加することで、堅牢なオンエッジソリューションを構築し、顧客の事業継続を可能にしたいと考えていました。

Breton社が計画していたことは、インダストリー4.0の製造環境に対応した専用の産業用ソリューションを開発し、新しいマシンに利用するということでした。さらに、IT部門に頼ることなく、オペレーションチームが簡単に機器を導入してメンテナンスできるように、OTの使い勝手を重視したソリューションを求めていました。

導入が容易なOTに特化したソリューション

当初、Breton社は工業用コンピュータベースのソリューションを使い、冗長性オプションを社内で構築しようとしました。しかしチームはすぐに、マシンの構築と準備に必要な時間を短縮できる方法を知ることになります。

Breton社は、今までに経験した様々な問題を回避できるような、実装が容易で、既存のソリューションと簡単に統合できるような新しいプラットフォームを求めていました。チームが求めたのは、準備時間を短縮でき、電気キャビネットに直接設置できるコンパクトなフォームファクタのソリューションでした。

エンドユーザーのことを考え、Breton社が求めていたのはオペレーションチームが簡単にメンテナンスできるソリューションでした。

これらの要件を満たすためにBreton社が選択した製品が、ストラタスのエッジ コンピューティング です。

機械装置メーカーの基盤となるプラットフォーム :Stratus ztC EdgeとAVEVA

Breton社は、長年の技術パートナーであるWonderware Italia社(AVEVAおよびStratus の販売代理店)に、新世代の機械装置のためのソリューションの提供を依頼しました。そこで提案を受けたものは、AVEVA System PlatformソフトウェアとStratus ztCTM Edgeを組み合わせたOT (Operation Technology)に適したソリューションで、シンプルで保護された自律的なエッジ コンピューティング ソリューションでした。これにより、開発チームは、容易な管理と効率化を実現することができました。

Stratus ztC Edgeのプラットフォームを使って開発したソリューションは、以下のような特長があります。

  • 設置や準備にかかる時間を短縮し、顧客への迅速な提供が可能
  • 複数のアプリケーションを単一のコンピューティングプラットフォーム上で実行するための統合的な仮想化機能を提供
  • 機械の一部として電気キャビネットに組み込み設置することが可能

Wonderware Italiaは、Breton社の制御開発部のプロセスSCADA/MESユニットと提携し、ソリューションの開発と検証を行いました。オートメーションチームはサーバー環境に精通していましたが、ここで重要なことは、提案されたStratus と AVEVA のソリューションを IT 部門で検証することでした。IT部門がソリューションを検証した後、オートメーションチームはソリューションの実装と管理を引き継ぐことができました。

エッジ スタック

  • RDSサーバー
  • AOS
  • Intouch for System Platform
  • ヒストリアン+GRノード

限られたリソースで、迅速な設計とデプロイ

開発後、Breton社はイタリアの工場でAVEVAとストラタスのソリューションを機械に組み込み、その後インドの顧客に販売しました。

ストラタス ソリューションの導入により、Breton社の製品提供のリードタイムは以前のソリューションに比べて8時間も短縮されました。これに加え、ストラタスのプラットフォームはそれ以外の多くのメリットをもたらしました。

「Breton社はその後、Stratus ztC 110iにアップグレードしましたが、システムのアップグレードにわずか20分しかかからず、何の障害もなく完璧に動作したとの連絡がありました。」
Michele Vario, OEM and Business, Development Director, Wonderware Italia

主な機能的メリット:

  • 開発、構築、テスト、デプロイ、コミッショニングを従来よりも8時間短い時間で実現
  • 冗長性オプションの開発に必要なセットアップ時間の短縮
  • 仮想マシンイメージのコピーとシステムのアップグレードを20分で完了

仮想化によるコンピューティングの効率化とアプリケーションの柔軟性の実現

ztC Edge には仮想化機能があらかじめ搭載されており、従来は複数のコンピューターにインストールしていた様々なアプリケーションを1台のデバイスに統合することができました。

Breton社の使用しているWonderware Italiaのアプリケーションには、仮想マシン (VM)上で動作する4つのアプリケーションがあります。

  • VM1:データへのアクセスと可視性を拡張するリモート・デスクトップ・サーバー (RDS)
  • VM2:AVEVA System Platformエンジンを実行するためのAVEVA Automation Object Server (AOS)
  • VM3:AVEVA InTouch HMIによるデータビジュアライゼーション
  • VM4:AVEVA HistorianとGalaxy Repository (GR)によるデータベース機能

このアーキテクチャは、Breton社にビルド変更やITとOTとの統合のための新しい柔軟性を提供するものです。また、配線がシンプルになったため、製造現場における機械の設置面積が縮小されました。

「ストラタスは、インダストリー4.0環境やIIoT技術対応の機器を開発する機械装置メーカーのニーズに応える先見性があります。AVEVAソフトウェアと組み合わせることで、ストラタスのエッジ コンピューティング がそれを可能にしました。仮想化、冗長性、保護、セキュリティ、カスタマイズ可能な可用性、産業用相互運用性などがストラタス製品には備わっており、このような技術が搭載された非常に特長的なユニットは、従来のIPCやサーバーよりも飛躍的に進歩しているものです。」
Michele Vario, OEM and Business, Development Director, Wonderware Italia

最後に

Stratus ztC Edgeプラットフォームは、Breton社の機械装置にIIoTアプリケーションを統合するための新たな柔軟性をもたらしました。シンプルな使用方法のため、Breton社は現在、市場投入までの時間を短縮して、主力の石材加工機の新機能を迅速に変革し、保守がはるかに簡単な、エレガントで使いやすく信頼性の高いソリューションを顧客に提供できるようになりました。ストラタスの仮想化機能がビルトインされた製品により、より迅速なプロビジョニングと効率的なアプリケーション管理を実現しました。

Breton社の新しいマシンエッジアーキテクチャは、エンドユーザーが総所有コスト (TCO)を削減し、予定外のダウンタイムを最小限に抑えることで生産効率を高めることを可能にします。また、同時に、マシンレベルで直接データを保護することができます。

今後、Breton社は、新しいマシンの設計、デザイン、サポートについて、Wonderware Italia社と連携を続けていく予定です。

関連情報